不動産トラブルシューティング

当社で”実際にあった”または、当社にご相談を頂いたお客様が”実際に経験した”事例からトラブル例をご紹介いたします。

媒介契約のトラブル

媒介契約を結んだけど、全然報告をしてくれない。

不動産会社は媒介契約を結んだ場合、専属専任媒介であれば1週間に1回以上の報告専任媒介契約であれば2週間に1回以上の報告義務があります
この頻度を守らないで報告をしてくれない業者は宅地建物取引業法に反している状況になりますので、そのような状況はしっかりと指摘して報告をしてもらうようにしましょう。

媒介契約期間中に業者に不満があり、契約終了を告げたら、違約金を請求されてしまった。

不動産会社の報酬は基本的には”成功報酬”型のため、そのようなケースにおいて違約金を支払う必要はありません。ですが、例えば「東京の業者」に「大阪の物件」の売却を頼んだ場合などは、どうしても旅費交通費が発生ししまいます。そういったものに関しては”実費”で支払う必要が出てきてしまいます。他には、調査のために生じた登記簿謄本の取得費用等はこれに該当します。

また、”成約させるためにお客様を案内をした手間賃”などはやはり”成功報酬”とは異なる性質の為、これらを請求されてもしっかりと断ることが重要です。

専属専任媒介契約を結んだ業者から、「一度依頼をしたら、成約まで不動産会社を変えられない」と言われたのですが本当ですか?

原則として媒介契約は上限が3ヵ月迄と決まっていて、自動更新は出来ないことになっています。依頼者様が希望していない契約は3ヵ月を超えて継続することはありませんので、3カ月後に違う業者に依頼をすることが可能です。もちろん、その3ヵ月の間に現在の業者が頑張って成約に導いてくれることを期待したいですが。

手数料に関するトラブル

仲介手数料って払わなくてはいけませんか?

不動産会社の主な収入は仲介手数料収入の為、規定の仲介手数料はお支払いただかなくてはいけません。ただし、仲介手数料の額は必ず媒介契約書に記載をすることになるので、媒介契約締結段階でよく確認をするようにしましょう。

尚、賃貸であれば原則として、“成約賃料の0.5ヵ月分(税別)” ※ 合意があれば最大で賃料の1カ月分(税別)まで増額可能となります。
売買の場合であれば、売買金額にもよりますが、一般的には“成約金額の3%+6万円(税別)”となります。これを超える金額を提示された場合はその理由を確認しましょう。

広告宣伝費という名目で請求されました。

不動産会社が遵守しなくてはならない宅地建物取引業法において、例えば賃貸であれば“業者が取得できる金額は、貸主・借主から合計で成約賃料の1カ月分(税別)”と規定されています。そこで、不動産会社は成約賃料の1カ月分(税別)を超える金額を必要とするとき、”広告費”、”広告宣伝費”、”コンサルティング料”といった名目で費用を請求しようとしたりします。

ですが、宅地建物取引業法には“名目を問わず”業者が取得できる金額は、貸主・借主から合計で成約賃料の1カ月分(税別)となっていますので、毅然とお断りをしましょう。

ただし、例えば依頼主の希望で”本来は行わないような新聞の折り込み広告”や”別途費用が発生する特殊な募集サイト”に掲載を依頼した場合は、実費にて、仲介手数料の他に費用を支払わなくてはなりません。

賃貸申込に関わるトラブル(大家さん向け)

“申込が入った”と言われたから募集を止めたのに2週間も待たされたあげくキャンセルされたと言われた。2週間分の賃料を業者に請求できますか?

大変心苦しいですが、その費用を請求することはできないです。なので、予防策としては”なるべく早く契約をしてもらう”ように促すか、”実際に契約が締結されるまで募集を止めないでください”という事を明確に伝えましょう。そのように伝えたうえで、約束を守ってもらえない場合はやむを得ず媒介契約の終了時に更新をしないようにしましょう。

“手付金を預かっている”を預かっていると言われた状態で、キャンセルをされました。キャンセルなので手付放棄という事で手付金をもらう事ができますか?

賃貸において、名目を問わず契約締結前に預かったお金は手付金ではなく、”業者に預けているだけのお金”なので、原則として返金しなくてはいけないお金になります。なので、やはり”手付金を預かっているから安心”ではなく、申込後は”可能な限り早く契約する”ように業者に徹底してもらいましょう。

賃貸契約のトラブル(大家さん向け)

入居者が無断でペットを飼いだしてしまった。

まずは、毅然と”迅速な飼育の終了”と”速やかな退去”を求めることになります。この際、書面で求めることは当然として、状況によっては“内容証明郵便”で通知するようにしましょう。正直に申し上げまして、最終的に”強制”的に退去をさせることはできないのですが、連帯保証人や緊急連絡先への連絡も含めて毅然と対応を続けるようにしましょう。

「退去後の室内修繕はいかなる汚損破損も全額入居者負担とする。」という特約は有効ですか?

まず、前提としては、自然損耗、つまり入居者が自然な生活を送るうえで生じた汚れや傷、自然劣化については大家さん側の負担であるというのが、原則となります。その中で質問の特約を有効とするためには、次の要件が必要になります。
・特約の必要性があり、且つ客観的、合理的理由が存在する
・その特約が、通常の原状回復義務を超えた義務を負うことを理解している
・その特約による義務負担の明確な意思表示を入居者がしていること

これらの要件を満たすためには、”特約が記載されている契約書にサインした”では不十分とされており、二重三重の説明が必要になります。従いまして、それらを行う事ができれば、有効にすることが出来ますが、現実的には難しいというところになってしまうと思います。

食器洗浄機が故障してしまった。キッチンと一体型のもので修理に30万円、修理が不可の場合は交換に100万円以上かかると言われた。食器洗浄機なしでも生活はできるから、このまま直さないでもいいものですか?

このご質問に関して最も重要な部分はその食器洗浄機が”設備なのか否か”という事になります。上のご質問では”設備か否か”の記載がないため何とも言えませんが、
“設備”というものは、その物品が部屋と一体のものであってその物品の価値も含めて賃料を対価として受け取る。という事になります。
一方”設備除外品(残置物)”とした場合、それは部屋とは一体ではなく、「室内にあるものは使ってもいいですが保証は出来ませんよ」という事になるため、修理負担の義務は生じません。

ここまでが、原則となります。ここからは食器洗浄機が設備だったとして、現実的に解決を探ります。
① 入居者に誠心誠意謝罪をして、修理などが非常に高額になることから修理できない旨のご理解を得る
② 修理できない分、部屋から食器洗浄機相当の賃料の減免でご理解を得る
③ ①でも②でもダメな場合は修理する

という選択肢になると思います。やはり①の解決が最もいい形ですので、日ごろから入居者との良好な関係を築くことを大家さん、業者含めて心掛けることが重要だと思います。

売買契約のトラブル(売主さん向け)

買付申し込みを受けましたが、「確定測量後の引き渡しとする」という条件を付けられました。どのようなリスクがありますか?

まず、「確定測量後・・・」という条件が付いたという事は、今回の売却にあたり、”測量”をしていない状態で”登記簿上”の面積で土地の売却にあたられたのだと思います。
もちろん、なんの根拠もなく現在の面積が算出されているわけではないため、”数十年前”に行われた測量図に基づいて算出された面積なのだと思います。
尚、各市区町村には建築の最低面積が定められていることが多く、弊社が所在する東京都杉並区では、60㎡以上の面積がないと建物を新築することが出来ません。
例えば、売主さんが売却しようとする土地が61㎡だった場合、最新の測量をした結果、59㎡となってしまった場合、その土地に建物を新築することが出来なくなってしまうのです。

日々測量技術が進歩しており、現地によっては、登記面積から実際の測量面積が5%~10%程度の差が出てしまう場合もあります。
また、隣地との境界も数十年を経て代変わりや売買によって所有者が変わっていることが多く、境界杭等もなくなっていたりすると境界画定が非常に困難になります。

上記のことから「確定測量後の・・・」となった場合は以下のリスクを孕むことになってしまいますので、ご理解ください。
① 敷地面積が変わってしまい、建物新築が出来なくなることがある。
② 境界確定がなかなかできず、引渡し(現金化)に非常に時間がかかる場合がある
③ そもそもの確定測量費用が生じてしまう(現況によりますが、60万~150万円程度)

売買契約締結後、引渡し前に近隣で火災があり、外壁の一部が燃えてしまった。それにより、契約解除したいと買主に言われていしまいました。

まず、売買契約を締結して引渡し前というのは”お互いに契約を履行する”時間です。つまり、買主は購入するための代金の用意を、売主は引き渡す時まで建物を善良な管理者の注意をもって維持することが必要になります。

今回の件では、”近隣の火災”であるため、売主さんは善良な管理者の注意を怠ったわけではないと思いますが、民法では以下の定めがあります。

(債務者の危険負担等)
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。

つまりは買主は代金の支払い拒むことが可能です。一般的な考えでも、不可抗力とはいえ目的物がなくなった以上、買う側が拒みたくなるのは理解ができるところです。

従いまして、売主さんはそのような状況になってしまった場合は
① 修理をして売買契約を履行する(買主側が”心理的に”拒否をしなければ)
② 修理をしたうえで他の買主を探す(買主が火災物件という事で”心理的に”購入を拒否した場合)
③ 諦めて、現況で他の買主を探す

上記のどれかになってくると思われます。
尚、② の場合ですが、買主がすでに支払っている手付金を”放棄”して解除となるのか、契約無効として手付金を”返還”するべきなのかは、火災の程度(一般的な価値観から、契約解除に同意を得られるような状況なのか)によって異なってくると思われます。